2019年11月18日 開催報告

講演会「性的マイノリティとメンタルヘルス」を開催しました!

 2019年11月9日(土)、10日(日)の2日間にわたり、当法人主催による講演会「性的マイノリティとメンタルヘルス」が東京は神田にて開催されました。

 1日目は、サンフランシスコのベイエリアを中心に行動衛生・リカバリーサービスのディレクターとしてご活躍中の、ジェイ・アフリカPh.D.による「LGBTQ+についてメンタルヘルスの専門家が知っておくべきこと〜アメリカからのメッセージ」と題するご講演でした。その中で、LGBTQ+の歴史的背景やその言葉の意味すること、LGBTQの人が被る差別や不利益についてご説明いただきました。特に、「性(Sex)」「ジェンダー自認(Gender Identity)」「ジェンダー表現(Gender Expression)」「性的指向(Sexual Orientation)」の違いについては、何度も「ここ大切!」と強調しながら、参加者の理解を促して下さいました。講演の冒頭でシェアして下さったジェイ先生ご自身の体験談とこうしたお話の内容から、なぜ先生がこうした理解が社会にとって重要と考え、現在の活動に情熱を注いでいらっしゃるのか、そしてなぜその姿がこんなにも多くの人を勇気づけるのか、という理由がわかったような気がしました。

 2日目は、日米の専門家によるシンポジウム――という趣で、ジェイ先生からは「性とジェンダーのマイノリティ:歴史と現在」、そして日本で長く当分野において活動されている中村洸太Ph.D.からは「性的マイノリティとコミュニティ:日米の社会・文化比較」というタイトルにて、それぞれにお話がありました。ジェイ先生のご講演では、LGBTQ+を理解するうえで大変重要な歴史上の出来事について、とても詳細にご説明いただきました。レインボーフラッグの変遷に関しては、その1つ1つの色が意味することだけでなく、今でも現在進行形で発展したり議論されたりしているものなのだ、ということを学びました。中村先生からは、性的マイノリティの精神的健康に関する研究についてご紹介があり、性やジェンダーの形は誰もが一人ひとり違うため、メンタルヘルスの維持増進に効果的な方法を見出すためには、より細かな視点による理解が必要だと感じました。また、政府および産業界、学校における動向については、最新の情報とともに現場のリアルなお話をうかがうことができました。


 この講演会を日本で開催できたことは、私にとって本当に大きな喜びです。数年前にサンフランシスコでジェイ先生の講義を受けて以来、いつか日本でも……という気持ちを持ち続けてきました。それが一体、どのような形で実現するのか、自分が何かお手伝いできるのかどうかもわかりませんでしたが、この度、ついに念願叶って、JUPIとしてジェイ先生をお招きすることができたのは、多くの方の支えやご縁の賜物だと思います。ご協力下さった方々に心から感謝を伝えたいです。本当にありがとうございました。

 ぜひ、同様の企画を第2弾、第3弾と開催できるように――あくまでもまだラブコールの段階ではありますが――これからも心を込めて、活動を続けていきたいと思います。

HOPEとともに!

NPO法人日米心理研究所理事 伊藤晶子

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