2019年9月16日 開催報告

西尾和美臨床心理基金・設立記念特別講演会を開催しました。


 後半は本間玲子Ph.D.による「フェミニスト・セラピー:アメリカの現状」と題するご講演でした。
 アジアにおけるフェミニストセラピーの第一人者である本間先生からは、フェミニストセラピーとの出会いからアメリカのフェミニストセラピーの現状、また、サンフランシスコ市精神衛生局局長としてご活躍されてきた先生ならではの、精神保健福祉士の視点による具体的な事例と対応法などをご教授いただきました。
 その後の茶話会「CSPPの歩み」では、40年以上に渡ってCSPPに在職されてきたダリア先生と、CSPP日本校のプログラムディレクターとしてご尽力されてきた本間先生による、『CSPPの知られざるヒストリー』も明かされ、和やかな座談会となりました。

 アライアント国際大学カリフォルニア臨床心理大学院(CSPP)日本校の創設者のお一人である西尾和美先生がご逝去されたのは、2019年7月5日のことでした。
 昨年、余命宣告を受けた西尾先生は気丈に闘病生活を続ける中で、先生の愛し子ともいうべき『リプロセス』と、『カリフォルニア臨床心理大学院日本校』それぞれの活動のための基金を準備してくださいました。この、『カリフォルニア臨床心理大学院日本校』のために用意してくださった基金は、NPO法人日米心理研究所(JUPI)が委託を受け、『西尾和美臨床心理基金プロジェクト』として活動していきます。
 その第1回の研修会として、『西尾和美臨床基金設立記念特別講演会』を開催させていただきました。

 2019年9月1日、東京は、32度を超える真夏日となり、インディアンサマーを迎える前の、涼しいサンフランシスコから来日されたCSPP学長 ダリア・ダッカ―先生、CSPP日本校名誉教授 本間玲子先生、CSPP日本校プログラムディレクター西澤奈穂子(当法人代表)には、一足早い真夏を味わっていただくことになってしまいましたが、全国各地から足を運んでくださいましたCSPPの修了生100名のパワーも加わり、さらに熱い一日となりました。

 前半はダリア・ダッカ―Ph.D.による「女性と心理学:働く女性について」と題するご講演でした。
 男性中心で社会的不公平や女性の経験などを無視した研究に偏っていた従来の心理学への批判から生まれた『フェミスト心理学』。そのフェミニストアプローチの視点から、『日本における女性の雇用について、働く女性についてのポジティブな研究結果、女性のリーダーシップスタイルの研究』などをお話いただきました。
 働く女性が抱えてしまう子どもや家族への罪悪感や、女性管理職にのしかかって来る性差別へのストレスに対する向き合い方など、自分自身にとっても心理支援者としても、学ぶべきことが多かったという声が多数ありました。


 後半は本間玲子Ph.D.による「フェミニスト・セラピー:アメリカの現状」と題するご講演でした。
 アジアにおけるフェミニストセラピーの第一人者である本間先生からは、フェミニストセラピーとの出会いからアメリカのフェミニストセラピーの現状、また、サンフランシスコ市精神衛生局局長としてご活躍されてきた先生ならではの、精神保健福祉士の視点による具体的な事例と対応法などをご教授いただきました。
 その後の茶話会「CSPPの歩み」では、40年以上に渡ってCSPPに在職されてきたダリア先生と、CSPP日本校のプログラムディレクターとしてご尽力されてきた本間先生による、『CSPPの知られざるヒストリー』も明かされ、和やかな座談会となりました。


 限られた時間ではありましたが、両先生の長年の研究と臨床の実績を拝聴できる貴重な時間となりました。


~御礼~
 講演会終了後、18時からは、お部屋を移動して『西尾和美先生を偲ぶ会』を執り行い、さらに多くのCSPP及びリプロセスの修了生や先生方、また、ご遺族様にもご参会いただきました。
 会場正面では、白を基調としたお花畑の中で、ピンクレッドのお洋服を着た西尾先生が、にっこり微笑んでいらっしゃいました。
 先生の思い出話は尽きることなく、名残惜しい散会となりましたが、この会は、先生のご遺志を受け継ぐ者たちの『新たなスタート地点』にもなりました。
 ご講演くださった先生方、講演会・偲ぶ会にご参会くださった皆様はじめ、関係者各位に、今回の運営を担当させていただきました『日米心理研究所(JUPI)』より、心からの御礼と感謝を申し上げます。
NPO法人日米心理研究所理事 粕谷真由美


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