2019年1月22日 情報発信

心理分野の注目トレンド in 2019! 気候変動や介護の現場にも心理が活躍?

2019年の幕が開けました。

 新生JUPIからこの情報発信をするのも今回が初、ということで、今回は「始まり」をテーマに、アメリカ心理学会の月刊誌「Monitor」の2018年11月号(Vol40, No10)に掲載された、2019年の心理学のトレンド予測の記事から、いくつかを抜粋して簡単に内容をご紹介したいと思います。

1.気候変動――アクションを起こすのは私たちの使命(By Kirstin Weier)

 「心理学は人間の健康に貢献するための学問であり、気候変動は、健康を脅かすとても重大な課題と言えます」とカリフォルニア州アルバニー市の心理学者Dr.Patricia Winterの言葉を紹介しながら、この記事では、気候変動に立ち向かう上での心理学の役割として、これ以上、環境破壊を助長しないよう、人間が行動を変化させるためには、どうしたらよいか、という行動科学的なアプローチと、さらに、気候変動に伴う環境の変化が人の心に与える影響を理解し、ストレスを軽減し、今後増加し得る気候変動を原因とした鬱や暴力、自殺を防止する臨床心理のアプローチがある、と伝えています。

2.薬物によらない疼痛治療が増えている(By Lea Winerman)

 処方鎮痛剤の乱用が重大な問題となっているアメリカで、今後、薬を使わないで痛みをコントロールするために、心理学の役割が重要となってくる、という記事です。

3.ますます待ち望まれるスポーツ心理学者(By Kirstin Weier)

 アメリカではフットボール選手の自殺や暴力問題、社会活動によって行動を制限された問題などがあり、今後、より健康なスポーツのために、スポーツ心理学の役割が重要となる、という記事です。

4.栄養管理にも心理の役割が重要に(By Zara Greenbaum)

 何をどう食べるかが心の健康の直接的な影響を与える、ということで、食の分野と心理学の協働がますます求められるという記事です。

そして、5つめは、高齢化社会に伴う、介護の問題です。

5.介護――新たなビジョンを描く(By Tori DeAngelis)

 2017年にアメリカのCenters for Medicare and Medicaid Servicesの制定した新しい規制では、高齢の方の施設での、スタッフの充実と、入所されている方のメンタルヘルスのニーズに応えることが求められている、ということで、これまで見過ごされがちだった高齢者の心の問題への取り組みや、長期入所施設でのメンタルヘルスの向上を含んだ支援をする上で、心理学の役割は大きいと書かれています。たとえば、Cameron Camp, Ph.Dは、早期教育で知られるモンテソーリのアプローチと、行動心理学を取り入れた、「認知症のためのモンテソーリベースアプローチ」を開発し、アルツハイマー病の高齢者に、生きる喜びと人とのつながりを見出す手助けをしているとのことです。ほかにもこの記事では、退役軍人病院などの認知症の高齢者のために心理学者が開発したプログラムが複数紹介されています。
 家を離れ、家族を離れ、多くのものを失ってきた長期入所施設の高齢者にとって、臨床心理の役割は大きいということです。

 この記事で紹介されている、そのほかの2019年心理学分野でのトレンドとして、以下のものが挙げられています。

6.“公正さ”に光を当てる (By Kirsten Weir)

7.ビッグ・データがもっとビッグに(By Lea Winerman)

8.より賢いハイテクツールのデザインとは (By Kirsten Weir)

9.デジタル端末の乱用をケアする (By Rebecca A Clay)

10.広がるデジタル・セラピー (By Kirsten Weir)

そんな2019年ですが、充実した、よい一年にしたいですね。